プラセンタの基礎知識

プラセンタとは

プラセンタ(Placenta)とは胎盤のことをいいますが、一般的に「プラセンタ」というと、胎盤から抽出された様々な成分の「プラセンタエキス」のことをいいます。

胎盤は、へその緒を通じて母体と胎児の仲立ちをしており、胎児が発育するために必要な、呼吸やタンパク質合成、有害物の解毒、ホルモンの分泌、排泄など、重要な働きをすべて胎盤が行ないます。

出産までの10カ月に満たない短期間に、胎児は急速に発育しますが、プラセンタはそのために重要な働きをする栄養素の宝庫と言えます。

よって、アトピー性皮膚炎、花粉症の症状を改善するほか、美肌、美白、アンチエイジング、コラーゲン生成のサポート、疲労回復、免疫力を高めるなど、様々な効果が医学的に証明されています。


プラセンタの歴史

プラセンタを医薬品として応用した歴史は古く、ギリシャの医聖ヒポクラテス(紀元前400年頃)が医療に用いりました。エジプトの女王クレオパトラや、フランスの王妃マリー・アントワネットも若返りや美容のために使用したといわれています。

中国では秦の始皇帝(紀元前250年頃)以来不老長寿の妙薬として用いたといわれ、その後「紫河車(しかしゃ)」の名で漢方薬として珍重されていました。日本でも江戸時代に紫河車を配合した「混元丹」が加賀の三大秘薬のひとつに数えられ、滋養強壮・不老長寿の薬として使われていました。

1930年代に旧ソ連でプラセンタの組織片を皮下に埋め込む「組織療法」が始まり、日本では1960年代にかけて「組織療法」が急速に全国的に普及していきました。現在では、プラセンタの有効成分を効率よく取りだせる技術が発達し、日本も独自のプラセンタの研究・応用が進み偉大な効果が注目されています。


プラセンタの種類

ヒトプラセンタ

ヒト(人間)の胎盤から抽出されたプラセンタです。
ヒト由来プラセンタを原料とした、メルスモンやラエンネックといった医薬品は、1950年代に厚生労働省から医薬品として認可されました。
「プラセンタ療法」として認可された製薬メーカーのみが製造を許可されており、医療機関でのみ、その使用や処方が認められています。
自律神経の調節、更年期障害、生理痛、肝機能の改善等の目的で使用されています。
現在では、美容クリニックや皮膚科等では美容の目的でプラセンタ注射をすることも増えています。

豚プラセンタ

BSE問題により牛由来のプラセンタが禁止になったため、現在、化粧品や健康食品として市場に出回るプラセンタの大部分が、豚のプラセンタです
薬局などで医薬品として売られている錠剤やドリンクでも、豚プラセンタを使用したものがあります。
国内で大量に養豚が行われているため、安定して大量のプラセンタが確保できることが、豚プラセンタの利点です。

馬プラセンタ

豚と比べて胎盤そのものが大きい、一度に出産する赤ちゃんが一頭であるといった特徴があるため、豚プラセンタのおよそ300倍ものアミノ酸を含有しています。豚と比較して、臭いの面で優位性があるとも言われています。

植物性プラセンタ

植物にはそもそも胎盤がありませんから、「植物性プラセンタ」は造語です。動物性プラセンタと同様、アミノ酸やビタミン、ミネラル類が含まれているので、プラセンタと呼ばれています。しかし、動物性のプラセンタにはある「成長因子(肌の再生をコントロールする、たんぱく質の一種)」は含まれていないので、細胞を活性化する効果までは期待できません。


プラセンタの安全性

一時、BSE(狂牛病)問題で牛プラセンタが禁止され、プラセンタに悪いイメージを持った方がいるかもしれません。確かに当初は市場に出回るプラセンタのほとんどが牛プラセンタでした。

しかし、現在出回っているプラセンタはヒト、豚、馬など、BSEとは全く関係のない原料ですので、心配はありません。

「10年若返る」という評判から、プロスポーツ選手や芸能人も利用しています。厳しい検査もされており、プラセンタ療法は人に優しい治療法と言われています。

また、プラセンタ注射に関しても、基本的に副作用がほとんどないと言われています。

患部が赤くなる、かゆみを感じる、倦怠感がある、などの軽微な副作用が現れる方も多少いますが、どの副作用の症状も数時間から3日程度で治まると言われています。


プラセンタの用途

プラセンタは体感性が良く、即効性のある美容素材として評価が高いため、医薬品、注射薬、化粧品、健康食品などの様々な場面で使われています。


医薬品としてのプラセンタ

プラセンタを医学的に利用し始めたのは、ロシアのフィラトフ博士で、第二次世界大戦前に、プラセンタを体に埋める埋没療法を開発しました。

日本では、久留米大学医学部の故・稗田憲太郎教授が、埋没療法の効能を臨床的に確認しました。戦後は、胎盤の研究に取り組み、胎盤からエキスを抽出して注射液にすることに成功しました。1959年、稗田教授の開発したプラセンタ注射液は、肝硬変、肝機能改善薬「ラエンネンック」として厚生労働省から医薬品としての認可を受けました。

また、更年期障害、乳汁分泌不全改善薬として、プラセンタを利用した「メルスモン」という医薬品も使われています。

医薬品に使われているのは、全てヒト由来のプラセンタです。